アジアを含めた国際共同治験に注目が集まる中、中国のCRO5社が参加した「第1回中国CROサミット」が都内で開かれた。出席した日本の製薬企業やCROの関係者40人以上に対し、中国の医薬品開発の現状と規制動向の解説や、中国CRO各社によるプレゼンテーションが行われ、中国での治験の実施を呼びかけた。中国では、シミックやイーピーエスといった日本の大手CROが事業に着手しており、中国での治験受託が熱を帯びてきた。
「中国CROサミット」は、中国での医薬品関連事業のコンサルティング業務を展開するモリモト医薬が12日に開催した。翌13日には、都内で個別相談会が開かれ、日系製薬企業2社との話し合いが行われたという。
アジア治験は、医療へのアクセスが悪い低所得者からの治験参加要望が多いのが現状で、日本に比べ低コストで被験者登録がしやすく、スピードも速いという。FDAでも中国の治験結果を承認申請用のデータとして認めているほか、日本の規制当局も受け入れに前向きになってきており、中国の治験データが注目されている。
同サミットでは、国際共同治験の実施経験などがある中国CRO5社の代表取締役が説明に立った。実施状況や、GMPといった規制が強化され、国際水準の取り組みがなされていることや、中国での国際共同治験の実施費用が欧米に比べて1/100~1/20程度で済むことなどが紹介された。
モリモト医薬グループが4月末に中国に設立予定の「北京盛本医薬科技有限公司」と中国のCRO5社は共同で、日系製薬企業を対象に多国籍共同治験と中国での販売承認申請を目指した治験の受託業務を始めることになっている。
薬業日報